女優・中村メイコさん死去 89歳 「今晩わメイコです」が死去

女優の中村メイコ(なかむら・めいこ、本名・神津五月=こうづ・さつき)さんが昨年12月31日、肺塞栓(そくせん)症のため死去した。89歳。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会を後日開く予定。喪主は夫神津善行(こうづ・よしゆき)さん。

東京出身。作家・中村正常さんの長女として生まれた。映画「江戸っ子健ちゃん」のフクちゃん役として、2歳で銀幕デビュー。「天才子役」として人気を博した。テレビには戦前の実験放送時から出演。NHKのテレビドラマ2作目となる「謡と代用品」(1940年)などに出演、テレビ草創期から活躍した。

太平洋戦争中には慰問活動も行った。行き先を告げられないまま戦闘機や潜水艦に乗り、特攻基地などを訪れた。

戦後、テレビの本放送が始まると「今晩わメイコです」「宰相登場」などの番組に出演。また、NHK紅白歌合戦では、59~61年に紅組司会を務めた。

「喜劇女優」を名乗り、NHKの「お笑いオンステージ」では三波伸介さんや東八郎さんと共に、読み切り形式の舞台喜劇を繰り広げ、お茶の間を楽しませた。舞台やラジオでも活躍し、ラジオドラマ「お姉さんといっしょ」でさまざまな役を一人でこなし、「七色の声」と呼ばれた。

私生活では57年に作曲家の神津さんと結婚。1男2女をもうけ、長女はエッセイストの神津カンナさん。また、黒柳徹子さん、森繁久弥さん、田中角栄元首相ら著名人との親交が深かった。特に美空ひばりさんを親友と呼び、告別式では弔辞を読んだ。

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