弘法大師空海や真言密教の研究で知られる高野山真言宗の元管長・総本山金剛峯寺第四百十二世座主、松長有慶(まつなが・ゆうけい)さんが16日、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。93歳。通夜は18日午後7時、葬儀は19日午後1時、和歌山県高野町高野山680の南院。喪主は次男で補陀洛(ふだらく)院住職の潤慶(じゅんけい)さん。
同町生まれ。高野山大学卒、東北大学大学院印度学仏教史学科博士課程修了。1968年、補陀洛院の住職となった。密教や曼陀羅(まんだら)の研究に尽くし、日本密教学会理事長、密教図像学会長などを歴任した。83年から4年間、高野山大学長。2006年11月から2期8年、管長・座主を務めた。08年4月から2年、全日本仏教会長。天台宗トップとも交流を深めた。09年、天台座主が平安時代以降初となる金剛峯寺の公式訪問を果たし話題を集めた。