仏文学者、菅野昭正さん死去 93歳 「詩学創造」「小説の現在」が死去

フランス近現代文学研究と、その深い知識を基に日本文学の評論で活躍した東京大名誉教授の菅野昭正(かんの・あきまさ)さんが9日、病気のため死去した。93歳。葬儀は近親者で営んだ。しのぶ会を後日開く。喪主は妻三重(みえ)さん。

横浜市生まれ。東京大仏文科卒。東京大教授、白百合女子大教授を歴任。日本の近代詩創造の問題を精緻に論じた「詩学創造」で1984年度芸術選奨文部大臣賞、難解で知られる19世紀のフランス詩人の半生を実生活と作品の両面から克明に追った「ステファヌ・マラルメ」で86年読売文学賞をそれぞれ受賞した。

他の著書に「小説の現在」「村上春樹の読みかた」「小説家 大岡昇平」など。97年紫綬褒章、2003年日本芸術院会員。07年から21年まで東京・世田谷文学館館長を務めた。

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