デクエヤル元国連事務総長死去 100歳 イラン・イラク戦争など解決に尽力が死去

第5代国連事務総長を務めたペルー人のハビエル・ペレス・デクエヤル氏が4日、リマの自宅で死去した。100歳だった。家族が地元メディアに明らかにした。1982年から2期10年間、南米出身で初めての事務総長としてイラン・イラク戦争(80~88年)やアフガニスタン紛争(79~89年)など多発する国際紛争の解決に尽力した。

リマ生まれで、カトリック大で法律を学び弁護士に。40年、ペルー外務省に入り、スイスやソ連、国連の大使を務めた。75~77年、事務総長特別代表としてキプロス紛争の調停に関与し、79年から国連事務次長(特別政治問題担当)として紛争中のアフガンに足を運んだ。

深刻化した南北問題の解決を期待され、82年1月、オーストリア人のクルト・ワルトハイム氏の後任として事務総長に就任し、86年に再任された。

任期中、アフガン紛争で和平合意を仲介してソ連軍の撤退につなげた。イラン・イラク戦争では停戦のための調停に取り組んだ。フォークランド紛争(82年)で武力衝突した英国とアルゼンチンとの和解にも努めた。

激増した平和維持活動(PKO)の統括にも手腕を発揮した。

冷戦中の米ソ対立により国連安全保障理事会の平和維持機能が停滞する中、地道に調停・仲介にあたり国連の存在感を高め、91年12月に退任した。

ペルー帰国後の95年には大統領選に出馬したが、当時のアルベルト・フジモリ大統領に破れた。フジモリ氏辞任後の2000年11月~01年7月に暫定政権下で首相兼外相を務めた。05年に心臓発作を起こし、入院していた。【サンパウロ山本太一】

お悔やみメッセージを投稿してみませんか

お悔やみの言葉を残す