ゴードン・ムーア氏が死去 94歳 米インテルの共同創業者が死去

米半導体大手インテルの共同創業者、ゴードン・ムーアさんが24日死去した。94歳。ムーアさんの設立した財団とインテルが発表した。半導体の性能は約2年で倍増するという「ムーアの法則」を提唱し、長らく半導体やIT産業の技術革新の指針となった。

1929年、米サンフランシスコ生まれ。カリフォルニア工科大などで化学や物理学を学んだ。当時、草創期だった半導体産業に進んだムーアさんは57年、同僚の故ロバート・ノイスさんらと集積回路(IC)の実用化に成功した。

68年、サンフランシスコ近郊のシリコンバレーでノイスさんらと「NMエレクトロニクス」(インテルの前身)を設立。79~87年には最高経営責任者(CEO)を務め、インテルを半導体の世界最大手に押し上げた。特にパソコンの頭脳である中央演算処理装置(CPU)で圧倒的なシェアを確立する基礎を築いた。

ムーアさんは65年に「同じ面積のICチップに配置できるトランジスタの数は約2年で倍増する」と予測。ムーアさんの見立て通り、半導体は加速度的に小型化・高性能化が進み、スマートフォンや人工知能(AI)など今日のデジタル社会の発展につながった。

インテルなどによると、ムーアさんはハワイの自宅で家族に囲まれて亡くなったという。インテルのパット・ゲルジンガーCEOは声明で「ムーア氏は、トランジスタの力を明らかにすることに貢献し、数十年にわたって技術者や起業家にひらめきを与えた。インテルは、物理の限界までムーアの法則を追い求めるつもりだ」とコメントした。【ワシントン大久保渉】

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