「アホの坂田」の愛称で親しまれたお笑い芸人、坂田利夫（さかた・としお、本名・地神利夫＝じがみ・としお）さんが12月29日、老衰のため死去した。82歳。葬儀は近親者で営む。
大阪府生まれ。高校卒業後、製造業やガス会社の下請けなど職を転々とし、1964年、吉本新喜劇入り。67年、故前田五郎さんと漫才コンビ「コメディ№1」を結成すると、前田さんの「お前はアホか」というツッコミに坂田さんが「そうや、アホや」と答える掛け合いで人気を集めた。
72年、コンビで発売したレコード「アホの坂田」（キダ・タローさん作曲）が大ヒット。「アホ」という坂田さんのキャラクターを決定づけた。同年、第1回上方お笑い大賞の金賞、79年に第14回上方漫才大賞の大賞に輝いた。
代表的なギャグは「あ～りが～とさ～ん」「あんたバカね、オホホ～」など。2000年代には映画にも出演。09年のコンビ解散後も新喜劇などで精力的に活動し、22年7月に大阪市内で開かれた寄席への出演が最後の舞台となった。