ロングセラー「ことばと文化」(岩波新書)、「武器としてのことば」(新潮選書)を著した言語社会学者で慶応大名誉教授の鈴木孝夫(すずき・たかお)さんが10日、老衰のため死去した。94歳。葬儀は親族で営む。
東京生まれ。1947年慶大医学部に入学。半年で文学部へ移籍し、イスラム学者の井筒俊彦に師事。独、仏、露、アラビア、ペルシャ語を学び、英米など5カ国で研究員、客員教授。日本で英語、トルコ語、古典ギリシャ語を講じ、慶大教授時代、同大に韓国語講座を開設した。遺著「日本の感性が世界を変える/言語生態学的文明論」(2014年、新潮選書)で、世界言語としての日本語の可能性を説いた。日本野鳥の会の顧問も務めた。