篠田桃紅さん 107歳=美術家が死去

墨による抽象表現を確立し、国際的に活躍した美術家の篠田桃紅(しのだ・とうこう<本名・満洲子=ますこ>)さんが1日、老衰のため亡くなった。107歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主はめいの爽子(そうこ)さん。

1913年旧満州(現中国東北部)大連生まれ。幼少の頃から父親の手ほどきで書に親しみ、女学校時代の先生に数年師事した以外はほぼ独学で創作を始めた。

戦後、前衛書運動に参加した後、既成の書の形にとらわれない表現を目指した。56年に単身渡米後、当時美術界を席巻していた抽象表現主義に刺激を受け、墨による抽象表現(墨象)を開拓。緊張感あふれる造形が海外で高く評価された。

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