白土三平さん 89歳=漫画家が死去

「カムイ伝」などで知られる漫画家の白土三平(しらと・さんぺい、本名・岡本登=おかもと・のぼる)さんが8日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなった。89歳。葬儀は近親者で営んだ。

東京都生まれ。父はプロレタリア画家の岡本唐貴。画家を目指すが、第二次世界大戦後、家計を支えるために旧制中学校を中退、紙芝居作家となる。1957年に「こがらし剣士」で漫画家デビュー。貸本屋のための漫画単行本を描き始め、59年の「忍者武芸帳」で人気漫画家となった。

64年、雑誌「月刊漫画ガロ」を舞台に「カムイ伝」の執筆を開始。江戸時代、身分制度の最下層出身の少年・カムイ、農村の少年、武家の少年が三者三様の自由を求めて苦闘する様を縦軸に、「色違い」を理由に兄弟オオカミから差別された孤独な白オオカミが大自然を生き抜く姿を横軸に絡めて描いた。同作は、全共闘世代をはじめ、若者から広い支持を得て、その後、掲載誌を移し、第2部と「外伝」が断続的に発表された。

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