作家・津原泰水さん死去 58歳 「ブラバン」「11 eleven」が死去

「ブラバン」「11 eleven」「ヒッキーヒッキーシェイク」などの作品で知られる作家の津原泰水(つはら・やすみ)さんが病気のため2日、亡くなった。58歳。葬儀は近親者と関係者で営む。

1964年、広島市生まれ。青山学院大卒。89年から「津原やすみ」名義で少女小説家として活動し、97年に「津原泰水」として「妖都」を発表。SFから幻想小説、青春小説まで作風は多岐にわたり、吹奏楽部での経験をもとにした「ブラバン」(2006年)がベストセラーに。短編集「11 eleven」(11年)で第2回Twitter文学賞国内部門第1位。引きこもりの男女が社会とのつながりを獲得する過程を痛快に描いた「ヒッキーヒッキーシェイク」(16年)は織田作之助賞の最終候補になった。その他の作品に「蘆屋家(あしやけ)の崩壊」「綺譚(きたん)集」「バレエ・メカニック」など。

19年に幻冬舎から予定していた文庫の出版が中止になった際、同社から刊行された百田尚樹さんのベストセラー「日本国紀」の内容を批判したことがきっかけだとツイッターで訴えた。それに対し、同社の見城徹社長はツイッターで、津原さんの本の実売部数を皮肉る形で公表。作家らから出版社との信頼関係を損なうと厳しい批判が相次ぎ、見城社長は投稿を削除、謝罪した。

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