国際的に活躍したピアニストで東京音楽大学長の野島稔(のじま・みのる)さんが9日、死去した。葬儀は近親者で営む。後日、お別れの会を開く。
高校3年時、日本音楽コンクール第1位大賞を受賞して一躍注目された。桐朋学園大からモスクワ音楽院へ留学、オボーリンに師事。1969年にはバン・クライバーン国際ピアノコンクールで第2位に入賞し、カーネギーホールでデビューした。
透明でやわらかい独特の音色と研ぎ澄まされたテクニックによる深い音楽が特色で、リスト、ラベルを得意とした。欧米にもファンが多い。東京音楽大学長、桐朋学園大の特命教授として後進の育成にも力を入れた。2006年に出身地の神奈川県横須賀市で創設された「野島稔・よこすかピアノコンクール」では審査委員長を務めた。14年、日本芸術院賞。