「1、2、3、チャラーン。こん平でーす」の名調子で、人気テレビ番組「笑点」のレギュラーとして活躍した落語家、林家こん平(はやしや・こんぺい、本名・笠井光男=かさい・みつお)さんが17日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため亡くなった。77歳。葬儀は近親者のみで営んだ。後日お別れの会を開く予定。
新潟県千谷沢村(現長岡市)生まれ。1958年、初代林家三平に入門し、72年に真打ちに昇進。80年、師匠が54歳で急逝し一門消滅も危ぶまれたが、三平の妻、海老名香葉子さんとともに一門を束ねた。落語協会の理事も務めた。弟子に九代目正蔵さん、たい平さん、二代目三平さんらがいる。
演芸番組の「笑点」(日本テレビ系)には66年の放送開始時から出演。持ち前の明るさと豪快さで客席の笑いを誘った。故郷を「チャーザー村」と呼んだり、「私の帰りのかばんには、まだ若干の余裕があります」と土産をねだったりするギャグなどで人気を博した。
2004年5月から声の出にくい症状が表れ、同年8月、24時間テレビ「愛は地球を救う」(日本テレビ系)の出演直後に倒れて、難病の多発性硬化症と判明した。笑点のレギュラーは06年、休演中から代役を務めていた弟子のたい平さんが継いだ。懸命のリハビリで高座に復帰したが、その後も持病の糖尿病の悪化などで闘病していた。近年は命の大切さを訴える活動を続けていた。