C.W.ニコルさん死去 各国で環境保護活動、95年に日本国籍取得 79歳が死去

作家でナチュラリストのC.W.ニコルさんが3日、直腸がんなどのため入院中の長野市の病院で亡くなった。79歳。密葬は4日、自宅に近親者が集まり営んだ。お別れの会を後日開く。喪主は妻眞理子(まりこ)さん。

英国南ウェールズ出身。17歳でカナダに渡り、極地探検調査への参加を繰り返した。同国の水産調査局技官や環境保護局環境問題緊急対策官、エチオピアのシミエン山岳国立公園の公園長などを歴任し、世界各国で環境保護活動に携わった。

1980年に長野県信濃町の森に居を構え、環境保護の活動に取り組みながら執筆活動を続けた。主な著書に「風を見た少年」「勇魚」「マザーツリー 母なる樹の物語」。

95年に日本国籍を取得。乱伐で荒廃した森を購入し、2002年に財団法人「C.W.ニコル・アファンの森財団」を設立して、森の再生に取り組んできた。東日本大震災で被災した子供たちや、さまざまな障害のある子供たちを招待し、森の活動を通してグリーフケアなどに取り組んできた。

05年には、エリザベス女王より名誉大英勲章を受章。毎日新聞社主催の「日韓国際環境賞」の審査委員を務めたほか、17年春からは本紙にコラム「カントリー ジェントルマン」を執筆していた。【萩尾信也】

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