長崎に原爆が投下された翌日、母の遺体のそばに立つ写真の少女として知られる龍智江子(りゅう・ちえこ)さんが15日、心不全のため福岡県大川市内の病院で死去した。90歳だった。葬儀は17日に営まれた。喪主は長男周二(しゅうじ)さん。
龍さんは15歳の時、爆心地から約1キロで被爆した。爆心地から200メートルあまりの自宅では母と弟が犠牲になった。自宅跡で、黒焦げになった母の傍らにたたずむ姿は1945年8月10日、旧陸軍カメラマンの山端庸介さん(故人)が撮影。被爆の惨状を伝える写真として、長崎市の原爆資料館にも展示されている。
被爆後は父親の故郷だった大川市に移り、地元の小中学校などで被爆体験を伝えてきた。