肥田晧三さん死去 90歳 上方庶民文化研究の書誌学者が死去

近世から近代の上方庶民文化に関わる文献資料を収集、研究した書誌学者で「なにわ学の生き字引」として知られた元関西大教授の肥田晧三(ひだ・こうぞう)さんが2月22日、病気のため死去した。90歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻美知子(みちこ)さん。

大阪市・島之内生まれ。大阪府立高津高校中退。両親の影響で幼い頃から芸能・芸術に親しみ、図書館で本を読みふけった。府立図書館や関西大図書館の非常勤嘱託を経て1984年、関西大文学部の教授に就任。90年まで書誌学、近世文学を講義した。共編「近世子どもの絵本集・上方篇」で毎日出版文化賞特別賞。

文楽や歌舞伎、少女歌劇などメジャーな芸能だけでなく、子ども向け玩具や奇術など見過ごされがちな文化にも光を当てた。講義などでは、つむぎの着物姿で親しまれた。

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