国連難民高等弁務官として難民救援の先頭に立ち、国際協力機構(JICA)理事長として日本の政府開発援助(ODA)改革に取り組むなど国際協力分野で功績を残した緒方貞子さんが死去したことが29日、わかった。92歳。
緒方さんは国連機関で働く多くの日本人職員にも強い影響を与えてきた。国連で日本人としてトップの事務次長(軍縮担当上級代表)を務める中満泉(なかみつ・いずみ)さんもその一人だ。訃報を知り「仕事だけでなく、個人的にも節目節目でアドバイスをもらい、進むべき指針を示してくださった恩師だった」と語った。
中満さんの記憶に強く残っているのは、イラク北部のクルド人が迫害を受けてトルコ国境に押し寄せた199…