1989年から約2年3カ月にわたって首相を務めた自民党の海部俊樹（かいふ・としき）さんが9日、老衰のため死去していたことが14日、分かった。91歳だった。葬儀は13日に近親者で営んだ。
31年1月、愛知県生まれ。早稲田大法学部を卒業後、同大学院に籍を置くかたわら、河野金昇衆院議員の秘書を務めた。同議員の死去後、1期務めた孝子夫人から地盤を引き継ぎ、60年11月衆院選で旧愛知3区から自民党公認で初当選。当時29歳で全国最年少だった。その後、連続16回当選を果たした。
自民党三木派に所属し、三木武夫元首相の秘蔵っ子と言われた。早稲田大雄弁会で鍛えた弁舌で頭角を現し、74年に三木内閣で官房副長官に就任。76年には福田内閣の文相で初入閣、85年には中曽根内閣でも文相として2度目の入閣を果たすなど文教族として活躍した。