奈良岡朋子さん「これが別れではないですよ」 生前にしたためた文章が死去

戦後の現代演劇界を代表する女優で、劇団民芸代表の奈良岡朋子(ならおか・ともこ)さんが23日、肺炎のため死去した。93歳。

劇団民芸によると、奈良岡さんは生前、死後に公表する文章を用意していた。

「新たな旅が始まりました。旅好きの私のことです、未知の世界への旅立ちは何やら心が弾みます」と始まる文章。奈良岡さんは「向こうへ着いたらすぐ」に、厳しい演出を受けるため、師である俳優の宇野重吉さんを訪れ、さらに昭和を代表する俳優である杉村春子さんとも、「どんな役でもいいからご一緒したい。ワクワクします」ともう一度共演を望む気持ちをしたためた。

そして、「両親に挨拶(あいさつ)するのは二、三本舞台をやって少し落ち着いてからにします。それからは裕ちゃん(石原裕次郎さん)や和枝さん(美空ひばりさん)と思いっきり遊びます」とちゃめっ気たっぷりに記し、最後は「これが別れではないですよ。いつかはまたお会いできますからね。それでは一足お先に失礼します。皆さまはどうぞごゆっくり…」と結んだ。

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