天台宗の座主・森川宏映さん死去 96歳 根本中堂改修事業に尽力が死去

天台宗(総本山・比叡山延暦寺)の座主(ざす)、森川宏映(もりかわ・こうえい)さんが22日、老衰のため死去した。96歳だった。密葬は延暦寺葬として26日正午、大津市坂本4の6の1の滋賀院門跡。喪主は水尾寂芳(みずお・じゃくほう)延暦寺執行(しぎょう)。本葬は天台宗葬として2022年1月18日午後1時、同市坂本4の6の2の天台宗務庁。喪主は阿部昌宏(あべ・しょうこう)天台宗宗務総長。

愛知県春日井市出身。1936年に得度し、京都大農学部を卒業後、天台宗宗議会議員、延暦寺学園比叡山中学・高校長などを歴任し、15年12月に第257世座主に就任した。10年がかりで行われている国宝「根本中堂」の大規模改修事業などに尽力した。

比叡山の山林保護に長年取り組み、「人間だけではなく、動物や植物など万物が仏性を持つ」という思想「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」を体得した。

原爆投下直前の広島を、学徒動員に向かう列車で通過した体験などから平和への思いが強く、16年9月にイタリア・アッシジで開かれた「世界宗教者 平和の祈り」に参加し、世界平和を訴えた。

森川さんの死去により、後継の第258世座主に22日、書写山円教寺(兵庫県姫路市)住職の大樹孝啓(おおきこうけい)探題(97)が就任した。

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