千葉真一さん死去 体操で五輪目指し挫折、アクション俳優の道にが死去

テレビドラマ「キイハンター」や米映画「キル・ビル」などに出演したアクション俳優の千葉真一(ちば・しんいち、本名・前田禎穂=まえだ・さだほ)さんが19日、新型コロナウイルスによる肺炎のため死去した。82歳。8日から千葉県内の病院に入院、酸素吸入を続けていたが悪化したという。

日本のアクション俳優の草分け的存在で世界的にも活躍したが、俳優の道に進んだのは偶然だった。

日本体育大に入り体操で五輪を目指したが、けがで断念。たまたま受けた東映のニューフェイスに合格して中退した。1960年、経歴を買われて特撮ヒーロー番組「新 七色仮面」で主演して以来、アクションが売り物となった。68年に始まった「キイハンター」では、大がかりな仕掛けで人気を得た。

本格的アクションを目指し、危険な演技にも自ら取り組む一方、日本のアクションは見せ物的でドラマがないと、人間を演じることにもこだわった。映画「日本暗殺秘録」(69年)、「仁義なき戦い・広島死闘篇」(73年)などでは派手な活劇要素を取り入れつつ、印象的な人物造形で好演した。

70年代に主演した空手映画は米国でも人気で「サニー千葉」として知られた。92年にハリウッド映画「エイセス・大空の誓い」に出演。クエンティン・タランティーノ監督らハリウッドにファンも多く、タランティーノ監督の「キル・ビルVol.1」(2003年)には、武術指導を兼ねて出演した。

後進育成にも尽力し、「ジャパン・アクション・クラブ」を設立。真田広之さんや堤真一さんらを輩出した。俳優の真瀬樹里さんは、俳優の故野際陽子さんとの間にできた娘。再婚後に生まれた息子の新田真剣佑さん、真栄田郷敦さんも俳優。

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