キリスト教カトリック教会の前ローマ教皇、ベネディクト16世＝名誉教皇、本名ヨゼフ・ラツィンガー＝が12月31日、死去した。95歳だった。ローマ教皇庁（バチカン）が発表した。高齢による体力の衰えを理由に2013年2月、教皇として中世以来約600年ぶりに生前退位し、バチカン庭園内にある修道院の建物で隠遁（いんとん）生活を送っていた。
在位は05～13年の7年10カ月あまり。在位中は聖職者の児童性的虐待や、宗教事業協会（通称・バチカン銀行）のマネーロンダリング（資金洗浄）疑惑などのスキャンダルへの対応に追われた。【ブリュッセル岩佐淳士】