人形浄瑠璃文楽の太夫で人間国宝の豊竹嶋太夫(とよたけ・しまたゆう、本名・村上五郎=むらかみ・ごろう)さんが20日、腎不全のため死去した。88歳。葬儀は近親者で営む。
愛媛県に生まれ、1948年に三代目豊竹呂太夫(後の十代目豊竹若太夫)に入門、豊竹呂賀太夫を名乗った。54年に四代目豊竹呂太夫を襲名し、翌年退座。広告会社の経営などをしていたが、68年に三代目竹本春子太夫門下として復帰し、八代目豊竹嶋太夫を襲名した。翌年からは四代目竹本越路太夫の門下に。94年、太夫の最高位である切場(きりば)語りとなった。
94年に芸術選奨文部大臣賞受賞、95年に紫綬褒章を受章。2015年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。