世界的ロック歌手の故デビッド・ボウイさんの衣装を制作するなど、世界的に活躍したファッションデザイナー、山本寛斎(やまもと・かんさい)さんが21日、急性骨髄性白血病のため死去した。76歳。葬儀は近親者で営んだ。
1971年、日本人として初めて英国ロンドンでファッションショーを開いた。ショーをきっかけに、ボウイさんが73年に行ったワールドツアーのステージ衣装を手掛けるなど交流が始まった。
74~92年、パリコレクション、ニューヨークコレクション、東京コレクションに参加。ショーでは、日本人ファッションモデルの先駆けだった故・山口小夜子さんを起用。歌舞伎や着物など日本の伝統を取り入れた前衛的なデザインで、若者から人気を集めた。93年にロシア・モスクワの赤の広場でイベント「KANSAI SUPER SHOW」を開催して以降、国内外でファッションと音楽、踊りなどが融合したイベントのプロデューサーとして活躍。2005年の愛知万博の開幕イベントもプロデュースした。10年に開業した東京都心と成田空港を結ぶ京成電鉄の新型スカイライナーの車両デザインを手掛けた。
20年3月に、急性骨髄性白血病と診断され、治療中であることを発表していた。娘は、女優の山本未来さん。