怪談などを得意にした、講談界の大看板で人間国宝の一龍斎貞水(いちりゅうさい・ていすい<本名・浅野清太郎=あさの・せいたろう>)さんが3日、肺がんのため死去した。81歳。葬儀は近親者や一門の関係者で営んだ。後日、しのぶ会を開く。喪主は長男丈太郎(じょうたろう)さん。
東京・湯島生まれ。1955年、都立城北高入学と同時に、五代目一龍斎貞丈に入門。同年5月、貞春を名乗り、上野の本牧亭で初舞台。66年、真打ちに昇進し六代目貞水を襲名した。
活動は多岐にわたり、特殊効果を駆使した「立体怪談」は高く評価され、「怪談の貞水」と呼ばれるようになった。講談師として初の全編読み切り「四谷怪談」(全5巻)、「赤穂義士本伝」(全15巻)をCD化。2005年には講談界初の欧州ツアーを行った。また、「講談湯島道場」を開くなど後進の育成にも力を入れた。