チャド大統領死亡 反政府勢力との紛争地視察で負傷 息子が暫定職が死去

チャド政府は20日、デビ大統領(68)が反政府武装勢力との紛争の前線を視察中に負傷し、死亡したと明らかにした。ロイター通信が伝えた。チャドを含む西アフリカ地域ではイスラム過激派が勢力を拡大しており、政情が不安定になれば過激派対策にも影響が出る恐れがある。

デビ氏は1990年に政権を掌握して30年以上、大統領職にあり、4月の大統領選で6選を決めたばかりだった。死亡の詳しい状況は明らかになっていない。チャドではリビアとの国境周辺を拠点とする北部の武装勢力が首都ヌジャメナを目指して進軍し、政府軍が応戦。双方に死傷者が出ていた。

チャドは西アフリカに駐留するフランス軍が司令部を置くなど、過激派対策の拠点にもなっている。デビ氏の死亡を受け、チャド政府は息子で軍出身のマハマト氏が暫定大統領に就くと発表した。ただ、この決定が正規の手続きを経ていないと問題視する声も出ている。【ヨハネスブルク平野光芳】

お悔やみメッセージを投稿してみませんか

お悔やみの言葉を残す