ペルシャ湾岸オマーンのカブース・ビン・サイド国王が10日、死去した。79歳だった。国営オマーン通信が伝えた。50年近く国王を務め、元首としての在位期間は中東最長だった。イスラム教シーア派のイランと良好な関係を保ち、欧米やスンニ派アラブ諸国との間で重要なパイプ役を果たした。
イラン核合意につながった米イランの秘密接触を仲介したとされ、米イランの対立が深まる中、オマーンは仲介外交の象徴的存在を失った。
国王は70年、父親の前国王を追放し即位。イスラム教の二大宗派とは異なるイバード派。他宗派に寛容な穏健派で、周辺国と友好関係を築けた要因とされる。(共同)