「サッカーの王様」ペレさんが死去 82歳 元ブラジル代表が死去

「サッカーの王様」とうたわれた元ブラジル代表のストライカー、ペレ(本名エドソン・アランテス・ド・ナシメント)さんが29日、大腸がんの進行などによる多臓器不全のためサンパウロの病院で死去した。82歳だった。ブラジル・サッカー連盟などが発表した。ワールドカップ(W杯)で選手として史上唯一の3度の優勝を経験した。

昨年9月に大腸の手術を受けて以降、入退院を繰り返し、今年11月下旬に再入院していた。ペレさんのインスタグラムの公式アカウントは「きょう安らかに他界した王様ペレの旅は、インスピレーションと愛に満ちていた」と投稿。「類いまれなスポーツの才能で世界を魅了し、戦争を止め、世界中で社会事業を行い、すべての問題の治療法だと彼が最も信じていたもの、愛を広めた」とした。

ブラジル南東部ミナスジェライス州のトレスコラソンエスに生まれ、名門クラブのサントスで15歳でデビューした。高い身体能力と技術を兼ね備え、16歳でブラジル代表入り。17歳で迎えた1958年のW杯スウェーデン大会では、準々決勝のウェールズ戦で当時のW杯最年少得点記録を樹立し、フランスとの準決勝ではハットトリック(1試合3得点)を達成。開催国に挑んだ決勝でも2ゴールを決め、ブラジルを初優勝に導いた。

W杯は4大会に出場。62年チリ大会、70年メキシコ大会を制し、優勝トロフィー「ジュール・リメ杯」を永久に保持できる3度目の優勝という栄誉を母国にもたらした。サントスでは62、63年に南米王者を決めるリベルタドーレス杯を連覇した。生涯通算ゴールは1281。

77年の現役引退後は慈善活動に取り組み、95年にはブラジルのスポーツ相に就任。日本ではテレビCMに数多く出演し、親しまれた。【ニューヨーク隅俊之、大谷津統一】

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