「ありがとうペレ」スタジアムにひつぎ、“王様”に別れ ブラジルが死去

昨年12月29日に82歳で死去したサッカーの元ブラジル代表ストライカー、ペレさんの一般弔問が2日、長年プレーした名門クラブ、サントスのホームスタジアム(サンパウロ州サントス)で始まった。ひつぎはピッチの真ん中に置かれ、多くのファンが「永遠の背番号10」に最後の別れを告げた。

ペレさんは15歳でサントスに入団。1962、63年にはクラブを世界一に導いた。ワールドカップでも選手として史上唯一の3度の優勝を果たし、「サッカーの王様」とうたわれた。

2日は、スタンドやスタジアム周辺に「万歳王様」「サントスの10番」「ありがとうペレ」などと書かれた横断幕が掲げられ、サントスやブラジル代表のユニホームを着た多くのファンが列を作り、ひつぎをスマートフォンで撮影するなどしていた。

王冠をかぶって一般弔問に参加したサンパウロの露天商、アントニオ・ダパスさん(69)は「世界中の人々にサッカーを通じて喜びを与えてくれた。ペレこそがブラジルサッカーの歴史の始まりだ」と話した。サントスのユニホームを着ていた客室乗務員のナタリア・ポチラさん(32)は「ペレはサントスとブラジルの名を世界に広めてくれた。私にとって永遠のアイドルだ」と語り、笑顔でスタジアムを後にした。

サントスによると、一般弔問は3日まで。その後、ひつぎはペレさんの母セレステさん(100)の自宅前を通り、家族葬が営まれる。【サントス中村聡也】

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