イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊氏が死去 98歳が死去

イトーヨーカ堂の創業者で、セブン&アイ・ホールディングス名誉会長の伊藤雅俊(いとう・まさとし)さんが10日、老衰のため死去した。98歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主は長男裕久(やすひさ)さん。お別れの会などの開催は未定。

1924年、東京都生まれ。44年、横浜市立商業専門学校(現横浜市立大)卒。三菱鉱業(現三菱マテリアル)を経て45年、母らが営む東京都足立区の洋品店「羊華堂」に就職。後を継いで経営者になり、58年、スーパーのヨーカ堂(現イトーヨーカ堂)を設立して、社長に就任した。

伊藤さんは借金を嫌い、堅実経営に徹する一方で、やる気と才能ある社員を見いだして権限を与えた。特に鈴木敏文・元セブン&アイ会長の手腕を高く評価。二人三脚の経営体制で、73年にはヨークセブン(現セブン―イレブン・ジャパン)を設立した。国内のコンビニエンスストアの草分けとして成長させ、グループの収益を飛躍的に高めた。

ファミリーレストラン「デニーズ」の展開にも尽力するなど、グループは成長を続け、現在はイオンとともに国内2大小売りグループを形成している。伊藤さんは92年、イトーヨーカ堂幹部による商法違反事件で社長を引責辞任。2004年には取締役も退任して、経営の一線から退いていた。

日本チェーンストア協会会長なども歴任。94年には私財で財団法人伊藤謝恩育英財団を設立し、意欲ある若者に教育の機会を提供することにも努めた。

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