芸歴最長の現役落語家で、テレビ草創期の娯楽番組「お笑い三人組」で人気を呼んだ三遊亭金翁（さんゆうてい・きんおう、本名・松本龍典＝まつもと・りゅうすけ）さんが27日、死去した。93歳。同日未明、自宅で倒れているところを親族が発見、死亡が確認された。
東京都生まれ。1941年、小学校卒業と同時に三代目金馬に入門し、前座名は金時。45年の終戦直後に二つ目に昇進し、小金馬を名乗った。ラジオや草創期のテレビで活躍し、55年にNHKのラジオ番組として始まった「お笑い三人組」（翌年からテレビ同時放送、60年度からテレビ単独放送）では一龍斎貞鳳さん、三代目江戸家猫八さんとの息の合った掛け合いで人気者になり、番組は66年まで続いた。
落語では古典の本格派として「阿武松」「芝浜」、新作「子なさせ地蔵」などを得意とした。58年に真打ち昇進、67年に四代目金馬を襲名した。62、70年に芸術祭賞受賞。落語協会顧問、日本演芸家連合会長も務めた。2020年、弟子でもある次男に「金馬」の名跡を譲り、自身は隠居名「金翁」を名乗った。著書に「金馬のいななき」など。