死刑囚として国内で初めて再審の門を開き、1983年7月に無罪が確定した免田栄(めんだ・さかえ)さんが5日、入所している福岡県大牟田市の高齢者施設で老衰のため死去した。95歳。葬儀は6日、近親者で営む。喪主は妻玉枝(たまえ)さん。(27面に評伝)
熊本県免田町(現あさぎり町)出身。48年12月30日、熊本県人吉市の祈とう師一家4人が殺傷されているのが見つかった強盗殺人事件で、翌49年1月16日、強盗殺人容疑で逮捕された。警察でいったんは“自供”し、熊本地裁八代支部に起訴されたが、同年4月14日の第3回公判から「自白調書は警察の拷問などの無理な取り調べで作り上げられた」と否認した。
しかし、50年3月、同支部は死刑を言い渡した。控訴審、上告審でも訴えは受け入れられず、52年1月に死刑が確定した。