父方の祖父が数年前に亡くなり、葬儀を執り行いました。遠く離れて住んでいる祖父の葬儀で祖母が喪主となりましたので、私自身は祖母の考えを尊重したのですが、思うところがいろいろありましたので紹介していきたいと思います。
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完全な家族葬
祖父の葬儀は完全な家族葬、つまり喪主である祖母と一人息子である私の父、そして母と私だけで執り行いました。祖父方の家族は把握していませんが、祖母方には祖母の妹など、祖父と関係があった人物が数人います。しかし、祖父との折り合いが悪く、もともと仲が良いというわけでもなかったため、祖父が亡くなったという連絡をすることもありませんでした。
本当は祖母の側の親族も来ているのだろうと思っていたのですが、いざ葬儀場に行ってみると祖母しかおらず、完全な家族葬であるということがわかりました。家族葬と言っても普通は親戚などが集まるものですが、親戚が集まるというものでもなく、直系の家族が集まっただけの葬儀となりました。
こうしておけばよかった
折り合いが悪いということで、葬儀の連絡をしたくないなどという事情もわかります。しかし、やはり祖父という1人の人間の人生がそこで終わったわけですから、せめて親戚には連絡を入れるべきだったのではないかと思います。
祖父は一人っ子ですし、当然ながら祖父の両親も既に亡くなっていますので祖父が亡くなったからといって誰かに連絡をしなければいけないというわけではありません。祖父の関係者と言えば祖母と息子である私の父だけですから、その父が知っていれば良いということになります。しかし、広い葬儀場に祖母が1人でぽつんと座っている姿を見たとき、なんともいえず悲しくなりました。
たとえ家族親戚であったとしても、折り合いが悪くて仲良い関係が築けないということもあるかもしれません。そしてそれはうちだけではないでしょう。新だなんて知られたくないなどと思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、かつて日本では村八分という言葉がありましたが、葬儀と家事だけは別問題だったのです。たとえ普段折り合いが悪かったとしても、葬儀の時は大人として、1人の人間として、やはり亡くなった人や遺族に向き合うべきではないかと思うのです。
今ならこうしたい
もっとも、亡くなった張本人も折り合いが悪かった人に自分の葬儀に来て欲しいと思うかどうかわからないですよね。だからこそ、ある程度の年齢になったら誰に葬儀に来て欲しいのか、誰にも来て欲しくないのか、ということを家族と話し合っておくと良いのかもしれません。もちろん、痴呆症などにかかって死ぬ直前はそのような話ができなかったということもあるかもしれませんので、ある程度の年齢になり、死を覚悟するような時になったら、家族と自然に話をしておいても良いのではないでしょうか。
もしも張本人が「あの人には来て欲しくない」などと思うのであれば何の問題もないと思います。しかし、そればかりは遺族が判断するものではなく、本人が判断すべきものだと思いますので、ある程度の年齢になったら誰に葬儀に来て欲しいか、家族に伝えておくと良いのではないでしょうか。