比較文化研究の芳賀徹さん死去 88歳 東大名誉教授「平賀源内」「絵画の領分」が死去

比較文化・比較文学の領域で独自の知見を展開した東京大名誉教授の芳賀徹(はが・とおる)さんが20日、胆のうがんのため死去した。88歳。葬儀の日程は未定。喪主は長男満(みつる)さん。

山形県生まれ。東大大学院在学中のフランス留学で日本文化を外から見つめ直し、比較文化研究の道に。特に18~19世紀を専門とし、「桃源郷」をめぐる文学と東洋の絵画研究など、従前の学究ジャンルにとらわれず幅広い視点で読み解いた。

著書「平賀源内」で1981年にサントリー学芸賞を受賞。日本の近代化に絵画が果たした役割を明らかにし、「絵画の領分」で84年大佛次郎賞、2018年には恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。一方、現代俳句大賞(12年)や茶道文化賞(14年)も受賞するなど、日本文化に幅広く精通した。97年に紫綬褒章受章。

国際日本文化研究センター教授、京都造形芸術大学長、静岡県立美術館長などを歴任した。

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