ローム創業者の佐藤研一郎さん死去 88歳 一代で国内有数の半導体メーカー育て上げるが死去

半導体大手ロームの創業者で現取締役の佐藤研一郎(さとう・けんいちろう)さんが15日、閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)のため亡くなった。88歳だった。葬儀は近親者で営んだ。お別れの会は開催しない。

東京都出身。立命館大理工学部卒。電気店でアルバイト中に抵抗器を考案し、1954年にロームの前身となる東洋電具製作所を京都市で創業。58年に株式会社に組織変更して社長に就任した。

67年に半導体事業に進出。パソコンや携帯電話、デジタルAV機器に組み込まれる大規模集積回路(LSI)を得意とする国内有数の半導体メーカーに一代で育て上げた。半世紀以上にわたって社長を務め、2010年4月に名誉会長に退いたが、16年6月、業績悪化を理由に取締役に復帰した。

沖電気工業の半導体子会社などのM&A(企業の合併・買収)で業績を拡大。豊富な現預金を背景に自己株取得など株主還元に積極的に努めた。

交響楽団のバイオリニストだった父の影響で少年期はピアニストを目指していたことから、91年に所有するローム株を提供して財団法人「ロームミュージックファンデーション」を設立。理事長に就任し、音大生への奨学金など音楽への支援を続けた。

「人に会うことが嫌い」と公言。マスコミへの露出を極端に抑え、財界活動などにも一切かかわらなかった。

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