「だいじょうぶだぁ」が聞きたかった サイン掲げる焼きそば店「一生の思い出…」が死去

コメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスが原因で亡くなった。感染が判明したときも、回復して「だいじょうぶだぁ」と言ってくれると信じていただけに、とてもショックだった。誰もが感染する可能性があるという事実に改めて気づかされた。

先日、取材をした宇都宮市の石田屋やきそば店に、志村さんの色紙があったことを思い出した。宇都宮といえばギョーザが有名だが、実は焼きそば店も多い。客が好みの味にアレンジするソースの「後かけ」が特徴で、市民なら誰もが知っている人気店だ。窓際にたくさんの有名人のサインが並ぶ中、志村さんだけはテレビ下の一番目立つ場所に、色紙掛けに入れて飾られていたのが印象的だった。

おかみの石田涼子さん(69)に思い出を聞いた。志村さんは2012年、テレビ番組の収録でお笑い芸人のU字工事や上島竜平さんらと店を訪れた。石田さんは志村さんと同い年で、子育てをしながら見ていた「8時だョ!全員集合」時代から大ファンだったという。「テレビでは面白い印象が強いが、カメラが回っていないときは落ち着いた方だった。一緒に楽しくトークしたことは、一生の思い出。本当に寂しい」と目を伏せた。

バカ殿も変なおじさんも新型コロナウイルスに奪われてしまった。大切な人を失わないためにもうがいや手洗いをし、感染しない、うつさないという意識を徹底しなければと強く感じた。【渡辺佳奈子】

お悔やみメッセージを投稿してみませんか

コメントは受け付けていません。